「固定費って、家賃と保険料くらいですよね」。自治体の家計講座のお手伝いに行くと、この言葉をよく聞きます。ところが実際に書き出してもらうと、たいてい10項目前後は出てきます。うちもそうでした。固定費の一覧を短く見積もったままだと、いちばん効きそうな部分が最初から候補に入らないんですよね💰

今回は、固定費に入る項目を洗い出して、どれから手をつけるか順番をつけるところまでを、みなさんと一緒にやってみます。

まず「続く支払い」と「その都度の支払い」に仕分けてみよう

私は給料日の翌日に、通帳と家計簿アプリを並べて見る習慣があります。その画面をそのまま使って、引き落としを2種類に分けるところから始めます。契約があって毎月続いていくものと、買うたびに金額が変わるもの。J-FLECの家計管理の資料でも、固定費は毎月発生する一定額の費用、変動費は食費やガソリン代、交際費、日用品代のようにその時々で変わる費用として整理されています。

ここでつまずきやすいのが、水道光熱費と通信費です。使った量で月額が動くので「これは変動費かな」と外してしまいがちなんですが、基本料金や契約している部分は毎月続きます。家計管理の場面では、契約部分を含めて固定費として扱う整理もできます。冒頭の思い込み、つまり金額がぴったり同じものだけが固定費という考え方を外すと、一覧はぐっと長くなります。

支出をもっと大きく分けたい方は、固定費・毎月の予算・特別費の3つに分ける方法も合わせて見てみてください。

固定費の一覧を、契約の単位で書き出してみよう

費目名ではなく契約の単位で書くのがコツです📝 「通信費」とまとめず、「スマホ2台」「自宅の回線」と分けて書くと、見直す対象がそのまま見えてきます。

固定費の一覧(契約ごとに書き出す欄)
グループ 入る項目の例 一緒に書いておくこと
住まい 家賃、住宅ローンの返済、管理費、駐車場代 更新月、更新にかかる費用
水道光熱 電気、ガス、水道 契約プラン名、基本料金
通信 スマホ、自宅の回線、有料オプション データ使用量、オプションの中身
保険 生命保険、医療保険、火災保険 月払いか年払いか
自動車 ローンの返済、任意保険、駐車場代 年に一度の支払いの有無
その他 サブスク、習い事、会費 解約の条件と手続き先

金額が小さいのに何年も続いているもの、ここ、意外と抜けやすいんですよね。うちの一覧では、子どもの習い事と動画のサブスクが最後まで書き漏れていました。

調整できそうな候補は、この3か所から見てみよう

一覧ができたら、動かせそうな候補を探します。私が最初に開くのは次の3か所です🧾

台所のテーブルで木のブロックを二つのトレーに仕分けている様子と緑茶の演出イメージ

ひとつ目はスマホです。総務省の携帯電話ポータルサイトでは、データ使用量を把握する、自分に合った料金プランを選ぶ、不要なオプションを外す、という順番が案内されています。マイページで支払額とデータ通信量、オプション、通話明細を開くところから始められます。手続きがオンラインで終わることも多く、地味に効く場所です。

ふたつ目は、携帯会社の窓口で申し込んだ別会社のオプションです。携帯の契約を解約しても自動では解約にならない場合があると説明されていて、各サービスの公式サイトで別途手続きが必要なことがあります。乗り換えたあとに請求が残っていないか、明細で名前を一つずつ追ってみてください。

3つ目はサブスクです。国民生活センターは2026年7月9日に、アプリを削除しただけでは解約にならないと注意を呼びかけています。無料体験が終わると定額サービスへ自動で移る形も多いので、決済明細を毎月見るのが早道です。私も解約したつもりのサブスクを半年払い続けていたことがあります。ぶっちゃけ、あのときは明細をろくに見ていませんでした。

順番は「影響の小ささ」と「手間」で決めてみよう

候補が出そろったら、順番です。先ほどのJ-FLECの資料では、まず必要性の低いウォンツや不要な契約を確認し、次に固定費、最後に変動費という手順が示されています。つまり「使っていない契約」が最初。ここは生活への影響がほとんどないので、迷いにくいところです。

残った候補は、3つの目で見ていきます。生活への影響の大きさ、解約や変更にかかる手間、違約金や保障が下がることの有無。減る金額が大きくても、保障が下がるなら話は別になります。影響が小さくて手続きしやすいものから一つ選ぶ、という決め方が私には合っていました。

金額の感覚をつかむのに、平均を横目で見るのもありです。総務省の家計調査の2026年7月分(二人以上の世帯、2026年9月4日公表)では、消費支出は1世帯あたり月301,245円、光熱・水道は16,877円、交通・通信は43,789円でした。ただしこれは家計全体の平均で、固定費だけの額ではありません。全国約9千世帯を対象にした調査なので、世帯人数や持ち家か賃貸かといった条件が自分と違う点は差し引いて見ます。

固定費のいいところは、一度下がるとその額が毎月続くことです。仮の数字ですが、月1,500円下がったとすると、1年では18,000ほど。月額と年額を並べて書いておくと、手間をかける価値があるかどうかを自分で判断しやすくなります。

今月は一つだけ選んで、請求額まで見届けてみよう

流れをまとめます。給与明細と家計簿で手取りと支出を確認する、固定費を契約ごとに一覧にする、それぞれの月額と更新月、解約条件を書き足す、候補を一つ選んで手続きする、翌月の請求額が変わったかを見る。ここまでで一区切りです。

一度に全部やろうとすると、たいてい途中で止まります。私も3年かけて、月4万円分を少しずつ動かしました。今月は一つ、来月また一つで十分です。仕事が立て込んだ月や気力が続かない月は、一覧を眺めるだけにして休んじゃいましょう。固定費は逃げませんから、動ける月に戻ってくればいいと思っています。